こんにちは。関西大学商学部3回生の小磯と申します。

この度12日間のインターンシップに参加させていた だきました。

 

私が今回のインターンシップに参加したきっかけは主に2つあります。

一つは製造業に興味があったため、もう一つは「働くとは何か」という、仕事について学ぶためです。

 

私は体力面においてある程度の覚悟をもち、なおかつ体力に多少の自信があって臨んだ今回の実習ですが、通勤時間が長いせいもあってか、最初の1週間はとにかく心身ともに疲労困憊していました。しかし、2週目に入ると帰宅しても風呂と食事で精一杯ということはなくなりました。

ですが、実際に仕事をされている社員さんは私たちインターンシップ生が帰宅した後も仕事をされていました。私たちの実習は1週間や2週間で終わりますが、実際の仕事は際限がありません。私は、「なぜそんなに大変なのに毎日仕事ができるのだろうか、きっと好きだからできるんだろう。」実習11日目に劉さんとお話しさせていただくまでは、そう考えていました。

 

最初はただ指示された作業を淡々と行うだけで、私自身、多少能動的に動いていた場面もあったかと思いますが、総じて受身の姿勢が強かったかと思います。

週の中頃は自分の中で疲労などを言い訳に、中だるみ状態で実習を行っていたのは最終日だから言えることです。(笑)

当然同じ作業が繰り返される場面もあり、そのような仕事に慣れていない私は、「自分はいったい何のためにこのインターンシップに参加したのだろう」、と自問自答を繰り返す日が続きました。ですが、昨日完成した品物の配達を同行させていただく際、現場を見学させていただいたり、様々な人とお話しさせていただく機会がありました。そこで、私はインターンに参加した意義を改めて考え直すことができたのです。

 

最初にうかがったのは品物の納品先です。そこは松原の某所で、新しくオープンする歯科医院での積み出し作業でした。そこには既に、幾日か前に目にしていた職人さんのつくった家具が設置されていました。今まではただ「もの」しか目にしておらず実感が湧いていなかったのですが、実際にそれらの家具がその空間を創り上げている状況を目の当たりにし、大袈裟かもしれませんが、今までの自分の見ていた世界ががらりと変わった感覚を味わったのです。

それと同時に、自分が今まで何気なく触れてきた様々な家具が思い起こされ、それらが無機質な物体から、なにか温かみのあるもの、親しみを感じるものに変わっていく心地がしました。

 

次に訪問させていただいたのは、塗装屋さんです。家具などを塗装して下さる会社なのですが、そこでは塗装の専門的な知識に加え、私が関心のある、今の低価格大量生産の家具についてどうお考えであるか、や、大阪の中小零細企業についてのお話を少しだけうかがうことができました。ご主人や奥さんのお話は一言一句が短くても、大変重みのあるもので、若者だけでなく今の日本人が考えなければならない大切なお話をうかがわせていただくことができました。

 

その御二件を訪れる間の移動時間にはお仕事中にお邪魔かと思いながらも、社員の劉さんに無遠慮に色々な質問をうかがいました。

話の中では、劉さんの仕事観などについての考えを聞かせていただきました。

近年、若者が就職先を探す基準として、福利厚生などがきちんとされている企業が良いという学生が多いことに関してどう思うかをうかがうと、劉さんは「週休2日で、定時に帰れて、その人がそれで楽しければいいと思う」、でも、自分は今の仕事が大変でも面白い、とおっしゃっていました。その言葉に私は、私の求めていた仕事への考え方の答とはこれなのではないかと思い、帰りにインターンシップに来た意味をもう一度考え直しました。

 

いよいよ最終日となり、行きの電車の中で私が昨日までのインターンシップを徒然に過ごしてしまった原因についてもう一度考えてみたところ、自分はどこかで、インターンシップを学校の延長としてや、自分がゲストになった気でいたためであったからだと気付きました。

午前中は社長の配達について行き、昼休みは職人さんたちと色々な話をして過ごしました。

午前中は社長自らの仕事観や仕事の姿勢、経営者が持つ蟠りなどに至るまで大変様々なお話してくださいました。月並みなのですが、言葉では言い表すことが出来ないくらい、仕事をするとは本当に大変なことだと心の底からつくづく思った正午前でした。

昼休みはご飯を食べながら、「Mr.箭木木工所」こと羽座さんと話をさせていただく機会がありました。話の途中で、「50年もこの仕事をされてらっしゃるなんてすごいですね。飽きたことなどは無いのですか?」と不躾な内容をうかがったところ、羽座さんは、「この仕事は面白いからな。」とただ一言、そう応えてくださいました。

 

私はこの最初の一週目は、「12日は少し長かったんじゃなかろうか」と思いました。また、訪問させていただく予定だった、塗装屋さんでの仕事がなくなったために行かなくて良くなった時は正直少し惜しい気持ちになりました。しかし、私は塗装屋さんで過ごすはずだった2日間を木工所の方たちと過ごすことが出来て、2週間は私にとって最低限必要な時間だったのだと気付きました。

 

私は、今回のインターンシップに臨む心持として、「働くということは何か」ということを自身の主なテーマとしていました。なぜ、世の働いている人たちは、自身の生活と仕事を両立させることができるのだろうと考えていました。

また、働くとは何なのかと実習中、毎日毎日考えていました。

夏休みの3分の1を費やした今回のインターンシップでしたが、そのお陰でその答がぼんやりとでも見つかったように思います。

 

生きるということは働くことであると、毎日毎日、頭の中で何度も繰り返しそのことを考えながら歩いた木工所から駅までの25分間と11日でした。あとの25分と1日はまだ残っているので、、(笑)

 

お忙しい中、インターンシップ生を受け入れ、様々な経験をさせていただき、

このインターンシップに参加させていただいて本当に良かったです。

箭木木工所の皆さん、本当にありがとうございました!

 

実験用小箱

↑インターンシップ生共同制作。完成しましたよ。