3月4日(日)に、「おおさか自然の恵みツアー・木材のふるさとを訪ねる」といった林業関係地の見学会に参加してきましたので簡単ですが報告させていただきます。

林地⇒木材市場⇒製材所といった順の方が流れがつかみやすいところですが、日曜日ということで、お休みのところを関係者の方が対応してくださっていることもあり、まずは製材所(大阪府森林組合のウッドベースかわちながの)で製材についてレクチャーを受けました。
工場長の講師から丁寧な説明を受ける

大きな帯鋸で、どのようにして角材を作るのか見学させていただき、
角材1本作るのも木材の特性を把握して加工するため技術が必要と教わりました。
家具を作るのと同じで知らない人が見ると簡単そうに見える作業でも奥が深いです。
大きな帯鋸での加工

次いで近くの木材市場を訪問。

大きなケヤキが置かれていたのでセリに出品されるのか尋ねたところ、セリには出しているが売り手の方の希望価格と買い手の希望価格が折り合わないとのことで残っていると説明を受けました。
この辺りだと岸和田のだんじりで使用する神輿を作るのに使ったりもするそうです。
大きなケヤキ

他にも大きなスギもあって、大径木の良材は国宝級の社寺仏閣の改修工事があれば買い付け業者さんが競り落としてくれるそうですが、そういった特需が終わると殆ど買い手がつかないそうです。
大きなスギの丸太 丁寧な説明

下の写真のように内部に空洞ができている木材は大きく価値が下がってしまうことも教わりました。027

日本の林業は木材価格の低迷で生計を立てるのが厳しいといわれて久しいですが、山から木材を搬出しても市場まで持ってくる経費の方が高くつくといった生々しい声を現場の方から伺い、木材の相場観も現物を目の前にして聞くと想像していた以上に厳しい現実を知りました。

最後に林業を生業とされているプロの林業家の方からご自身の山で河内林業についてレクチャーを受けました。
また、どのような方針で林業を行っているのか、これからの林業についても奥深い話をしていただき勉強になりました。
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ちょうど1年程前に宮崎県諸塚村での取り組み事例も見てきただけに私としては客観的に河内林業との違いを見ることができたと思いました。
それぞれに地域での需要の違いや外部環境の違いもあり一概に比較はできませんが、何か1つを改善すれば何とかなる、といった簡単な問題ではない根深い問題があることを改めて感じました。

同じ大阪府下で家具を作っている我々としても何か有益な形で共存共栄できる道を今後も探り続けていきたいと思います。

河内材 奥河内